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インタビュー

大阪の西天満に事務所を構える弁護士法人ニューステージ。関西圏の多くの企業を顧問先に持つ弁護士下元高文氏に、顧問弁護士業務について、インタビューしてみました。
インタビュー1 顧問弁護士の必要性を語る 弁護士下元高文
インタビュー1 顧問弁護士の必要性を語る 弁護士下元高文

顧問弁護士の必要性
~弁護士保険論と価値の低下~

本日は、顧問弁護士についてご質問させていただきます。

下元

よろしくお願いします。

ズバリ聞きますが、会社にとって、顧問弁護士って必要でしょうか? 
かなり昔は、知り合いの弁護士がいないとか、事件があっても引き受けてもらえる弁護士さんがなかなか見つからないという理由で、「何かあった時のために」事前に顧問契約をしておこうということもあったと思いますが、今はインターネットなどで弁護士さんを探せる時代になりましたよね。このような時代に「顧問弁護士」という制度が必要なのか疑問に思いまして。

下元

いきなり率直な質問ですね(笑)。
私は、現在でも、企業にとっては、顧問弁護士がいることによって、大きなメリットがあると思います。
ただ、昔の「顧問弁護士」とは、弁護士に要求される内容が異なってきています。

おっしゃっておられるような、会社に「何かあった時のため」に顧問弁護士が必要だという議論は、昔からありました。
「弁護士保険論」と言ってよいと思います。
かつては、弁護士の数も多くはありませんでしたし、弁護士にアクセスするための手段も、知り合いの紹介など限られたものしかありませんでした。「一見さんお断り」のような事務所も多くありました。
そのため、仮に何かの事件に巻き込まれてしまったという時に、相談できる弁護士さんを探すのに苦労されたという話もよく聞きました。
いざという時のために先に弁護士を確保しておこう、ということで、顧問料を支払って弁護士をキープしておくようなイメージですね。
いざという時のための「保険」としての顧問弁護士です。

しかし、今は時代が変わり、「いざという時」には、容易に弁護士にアクセスすることができます。
ネットで探せば、問題となっている種類の業務に強い弁護士も見つかる可能性が高いですし、「一見さんだから」という理由で依頼を断るような事務所も少なくなりました。
ですので、「困った」時には、どこかの弁護士さんには依頼することは可能だと思います。
また、企業側のコスト意識も高まり、単に「いざという時のため」の「保険料」として、何もしない弁護士に高い顧問料を毎月支払うというのも躊躇するようになったと思います。
したがって、従来型の顧問契約というのは、近年の傾向としてすたれてきていますし、今後もその傾向は続くと思います。

では、やはり以前に比べると、顧問弁護士の必要性は減ってきているのでしょうか。

下元

いやいや、そんなことはありませんよ(笑)。
従来の「保険」としての顧問弁護士の必要性は減ってきていると思いますが、現在でも顧問弁護士として、会社に大きなメリットを与えることはできると思っています。

顧問弁護士が、顧問先の企業に対して、どのような価値を提供できるか、ということだと思います。
先ほど申し上げたように、「いざという時に依頼できる弁護士」ということは、以前は十分な価値があったと思いますが、その価値は比較的低下していると思います。
しかし、それ以外の顧問弁護士としての価値や、新たな価値を提供できれば、十分に顧問契約をするメリットはあるはずです。

インタビュー2 顧問弁護士による予防法務を語る 弁護士下元高文
インタビュー2 顧問弁護士による予防法務を語る 弁護士下元高文

顧問弁護士による
「予防法務」の価値

下元

逆に私から質問なのですが、弁護士さんに依頼しなければならない時とは、どんな場合を想像しますか。

やっぱり、裁判に訴えられたりとか、事件になった場合ですよね。

下元

そうですよね。
企業が訴えられる場合、訴える原告としては取引先や元従業員など、ありとあらゆるケースが想定できるのですが、訴えられれば何らかの対応をする必要があります。
そうした対応をするための代理人としての弁護士が必要ですよね。
これは、会社に代わって裁判所に出頭し会社の意見を述べるという、弁護士として重要な業務です。

それでは、そのような事件が勃発する前に事件にならないように対処しておくことができればどうでしょうか。

その方が良いですよね。裁判になるよりならない方が・・・。

下元

そうなんです。
企業にとっては、裁判になるよりもならない方がずっとメリットが大きいのです。
裁判になれば、敗訴するリスクだけでなく、戦うためのコスト(費用や時間)、風評被害など、様々なリスクが考えられます。
もちろん、誰かが裁判を起こすことは100%止めることはできませんので、完全にリスクを除去することはできませんが、事前に、可能な限り回避するようにアドバイスすることは可能です。

そんなことができるのでしょうか。

下元

企業が事件に巻き込まれるケースは、ある程度類型化することは可能です。
例えば、外部的な取引の問題、内部的な雇用の問題、それから、かなり少ないですが、近隣関係や行政との関係等です。
外部的な取引の問題については、多くの場合、契約書で規律されていますので、これを徹底的に見直していくことになります。
企業間の取引でも、契約書がない場合や、古い契約書のままになっていて、現在の法令に対応していないケースがたくさんあります。
実は、企業間や、企業と取引先との紛争は、契約書がきちんとしていれば回避できるトラブルもたくさんあるのです。

それから、近年は、内部的な雇用上の問題でのトラブルも増加しています。
労使紛争というと、かつては、労働組合を窓口とする条件闘争のような側面が強くありましたが、近年の傾向として、個別の労働者が、残業代の未払いや、解雇の無効、セクハラ、パワハラといった問題を裁判所に訴えていくというケースが増加しています。
こうした、雇用契約を巡るトラブルというのも、内部的な規程や、給与制度、人事評価制度や労働環境を見直すことで、相当程度回避できます。
そのような対応をしておくことで、仮に、何らかの訴えを受けた場合であっても、企業側のリスクを回避することは可能です。

かなりの数の中小企業が、このようなリスクを放置している傾向にあり、これらを見直すだけで、かなり損失を回避することが可能になると思います。
「訴えられたりしていないので弁護士の必要性を感じない。」という経営者の方も多いのですが、実は、これまで訴えられていなかったのが「ラッキー」なだけかもしれませんよ。

怖いですね…。そのようなリスクを事前に回避することができるのであれば、顧問弁護士さんにお願いするメリットも大きいですね。

下元

これは、いわゆる「予防法務」と呼ばれるものです。
従来型の顧問契約でも、もちろんそのような業務は行ってきました。
ただ、意識的に企業側から要求しないと、弁護士の側から、「御社の規定をチェックしましょうか。契約書見ましょうか。」とは言ってくれなかったと思います。

では、「予防法務」を実践するためには、顧問契約をした弁護士さんに、積極的に契約書や規程などをチェックしてもらう必要がありますね。

下元

そう思います。
従来型の顧問契約でも、顧問弁護士との間で、そのような積極的なやりとりを行うことにより、良好な関係を築いていくことが可能でした。
また、このようなコミュニケーションを取っていくことにより、さらに大きなメリットがあります。

先ほども言いましたが、事件を100%回避することはできません。
ただ、顧問会社との頻繁なコミュニケーションにより、いざ事件になったときに、顧問先にどのような書類があるのか、顧問先の実情に応じてどのような主張をすべきなのかを、弁護士の側でも、瞬時に判断することが可能となります。

その経験の蓄積から、事件処理の方針も立てることができますので、仮に事件が起こっても、その企業に応じた最適な処理方法が可能になります。

なるほど。それも大きなメリットと言えますね。

下元

そうなんです。
特に、法務部門に人員を割くことができない中小企業では、顧問弁護士が、法務部の役割を果たすことが可能となりますので、積極的な活用を行っていれば、必ずメリットがあります。

ただ、私自身の顧問弁護士としての経験から、さらにそのような顧問弁護士の価値を推し進めて、さらに大きな価値を提供できるのではないかと思うようになりました。

それでは、そのあたりを聞かせていただきたいと思います。

下元

ええ。

インタビュー3 弁護士法人ニューステージの顧問弁護士サービスを語る 弁護士下元高文
インタビュー3 弁護士法人ニューステージの顧問弁護士サービスを語る 弁護士下元高文

弁護士法人ニューステージにおける「顧問契約」とは?
~新たな価値の創造~

弁護士法人ニューステージとしての、顧問弁護士の価値というのはどのように考えられていますか。

下元

今まで述べてきたような、「弁護士保険論」「予防法務」というのは、従来型の顧問契約の枠内で必要とされる業務であり、顧問弁護士として、当然なすべきことだと思います。
言わば、弁護士として、企業の「守り」「ディフェンス」の手助けをするというイメージですね。
ただ、さらに、これまでの経験から、もっと顧問弁護士として、顧問先に対して価値を提供することができるのではないか、企業のマイナスを防ぐだけでなく、プラスの要素に寄与することができるのではないかと考えるようになりました。

企業のプラスに寄与するというのはどのような場合でしょうか。

下元

例えば、私は、弁護士ですが、一方で、弁護士法人を経営する経営者としての側面もあります。
もちろん、その企業が行っている業務については、経営者の方がずっと詳しいのですが、企業経営にとって共通する点もたくさんあります。

いつも、顧問先の経営者の方に「法律的なことじゃなくても、何でも相談して下さい。」と言っているのですが、実際に、その経営者の方のビジョンや、今後、このような業務に取り組んでいきたいとか、そのような話になった時に、これまでの「弁護士」という枠から離れて、様々な質問や意見をさせていただくことがあります。

なるほど。法務分野に限定せずに、いろいろなお話しをされているんですね。

下元

そうなんです。
どうしても「顧問弁護士」というと、「法律的なことを質問しないといけない。」とか、「こんな話をしたら怒られるのではないか。」と思われる方もいらっしゃるのですが、私の顧問先の企業の方々は、あまり、そのような枠をもたれていないと思います。
私自身が、事業の話や、経営の話をお伺いするのが好きなんです。
また、顧問先の方と密接で良好な関係を築くことができ、携帯電話に直接連絡をいただいたり、お伺いすることも多いので、雑談のような話をさせて頂く機会も、ほかの弁護士よりもずっと多いと思います。

そんな中で、経営者の方から、私といろいろと相談する中で、「頭の中がクリアになった。悩みをお話しできたことで、霧が晴れた。」「これまで事業に取り組むことができなかったが、100%邁進することができる。」という声をいただくようになったんです。

これは、私の方でもすこし意外でした。
私自身がアドバイスしていることは、もちろん法律的には重要なアドバイスをしていますが、事業上のアドバイスや、相談などは、それほど大きなことはできていないと思っていたからです。

法律以外の部分でも、顧問先の経営者の方が喜ばれているということでしょうか。

下元

私自身、弁護士としての大きな価値の一つは、経営者の方の、ありとあらゆる内容の相談を聞くことができることだと思っています。
例えば、何か悩んでいることがあっても、経営者の方は、取引先はもちろん従業員の方にも相談できないことがほとんどです。
「弱み」を見せることになってしまう可能性もあるからです。

そうして、経営者の方は、どんどん自分の中に悩みを貯めていって、悩みの中で、自分が縛られていってしまうこともあるのです。
いつも思うのですが、経営者の方は、孤独な側面がどうしてもあります。

弁護士は、社員でもありませんし、かといって、敵対する可能性のある取引先でもありません。100%味方で、守秘義務もあるという、この上ない相談相手なのです。

最初は「弁護士さんにこんな相談するのは悪いのですが。」とおっしゃっておられた方が、どんどん私に相談をする中で、前向きに事業を進めていかれるようになるのを見ると、本当に嬉しく思います。

そのような相談を受けるのは「弁護士」としてなのでしょうか。それとも、また別のコンサルティング的な立場で相談をされているのでしょうか。

下元

顧問先からの相談に対して、当然、弁護士として、法的な制度や、進む先にあるリスクについてご説明することになります。

ただ、現実の取引や事業の中では、相手先もいるし、顧客に対してアピールもしていかなければならないという中で、弁護士としての意見だけでは解決しないということもあります。

もちろん、違法なことをアドバイスすることはありませんが、例えば、今までの契約書では曖昧な記載があってリスクがあっても、取引先との関係を重視して、そのままにしておこうとか、そういうことはあるわけです。
当然そのリスクは大きいのか小さいのか、顕在化する可能性が高いのか低いのか、そういったことも話題になります。
ただ、リスクがあると知った上で経営判断として前向きに進んでいくことと、何も知らないままで漠然と進むのとでは全然意味が違います。

こうしたアドバイスは、「自分が経営者だったらどうするだろうか。」という自問のもとで行っていますので、経営者の方にとっても伝わりやすい、分かりやすいアドバイスになっていると思います。

コンサルティングのような「どうすれば儲かる」ということまではお話しできませんが、様々なお話しをさせて頂く中で、私も勉強になることがたくさんありますし、経営者の方と対等な立場で、お互いに刺激になる関係性が理想だと思います。

では、先生が顧問先に対して一番大切にされていることは何でしょうか。

下元

今申し上げたような理想の関係を築いていくためには、とにかくコミュニケーションを取っていくことが必要なのです。
ですので、どんなかたちでも良いので、すぐにお話しできる環境を作っておくことが必要だと思います。
例えば、顧問先の経営者の方には、私の携帯電話番号を共有させていただき、いつでもご連絡いただけるようにしておりますし、今ですと、LINEやスカイプなどで連絡できる体制をとっている顧問先もあります。

「何でもお話しいただける」というのは、言うのは簡単ですが、なかなかそのような関係に至るまで時間もかかりますし、様々なお話をする中で構築できる関係です。
一刻も早く、そのような密接な関係になれるよう、心がけています。

本日は、長い時間、ありがとうございました。

下元

こちらこそありがとうございました。

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